アンパル干潟に生息するキバウミニナという円錐形の巻貝(写真参照)を見たことがあるでしょうか。「アンパルの自然を守る会」の調査活動の一つとして4月15、16、19、20、30日、5月1日の延6日間現地調査が実施されました。南部の名蔵小橋に流れる水系で行われました。キバウミニナの分布調査は、2005年までに3回の調査が当会の小菅丈治アドバイザーによって実施されており、今回の調査はそれを引き継ぐものです。今年、2011年度の調査は、深石隆司アドバイザーの指導のもとに行われました。後日書かれた深石さんの報告書によると『アンパルのマングローブ林は、時代と共に刻々と変化している。各時期に撮られた航空写真からもそれは分かる。マングローブ林の拡大はキバウミニナの生息範囲を広げており、個体数も増加傾向にある』ということです。つまりキバウミニナはマングローブ林の増殖とともに現在進行形で大増殖中なのです。
私が4月15、16日の二日間参加しました。調査は、対象区域の水路側にロープを張り、2m毎に区切り1から20までの区間を決めた。そして砂州側へ2m計測し4平方メートルの区域を4分割して個体数を計測しました。貝の大きさは殻高サイズを8cm以上、6~8cm、4~6cm、4cm以下の4種類に分類しそれぞれ記録紙に記入するという作業でした。キバウミニナの大量発生には驚くばかりでした。彼らのえさはマングローブの落葉ですから、アンパルの掃除屋であることは間違いない事実です。それにしてもどこまで増えるのでしょうか。
調査活動は(1)日蔭のない炎天下での作業で、4月下旬とは言え、日差しがきわめて強く、その対策のため長袖、長ズボン、大きめの帽子を着用しての作業となり直ぐに大量の汗が噴き出してきました。(2)足もとは泥地のため、長靴または専用ブーツが必要でした。(3)キバウミニナはヤエヤマヒルギの根元に多く生息しており、ヒルギが密生している区画で計測範囲を決めるのにヒルギ林との格闘が余儀なくされました。気がつくと足元や上着は泥んこになっていました。(4)二人一組・2班で調査するため、1班の調査区域は10区間となる。1区間2m四方のブロックは、4ないし5ブロック(8~10メートル)となるので、その10倍が対象区域だ。昼食を挟んで4、5時間の調査でしたが相当疲れました。夜のビールがおいしかったのは言うまでもないですが。