カンボジアに助産施設をつくろう

カンボジアに助産施設をつくろう

貧困家庭めぐり その2

 突然来た、始めてみる日本人の団体に少女は驚いていた。瞬きするのも忘れ、一人一人の顔をじっと見つめていた。少女は母親と祖母と3人で暮らしていた。「父親は?」と聞くと、「少女は強姦されて生まれてきた子供です。そしておなかの中にまた一人、強姦によって出来た子供がいる」との返事だった。そして、祖母が泣き出した。
「絶句」。私は何にも言葉が出なかった。何一つ、交わす言葉も、かける言葉も、そして悲しむ事も。すぐに理解できなかったのだ。燈友会会長がお米や物資を渡しているその間、私は何もせずその様子

を見届ける。そしてやっと、頭が回りその現状を把握する。強姦!!!しかも! 子供が二人とも!!! カンボジアは治安が悪いともちろん聞いていたが、目の当たりにして見たこの親子! 自分に置き換えても見た。もし自分がそのように襲われ、子供が出来たらどうするか? 全く想像が出来なかった。子供が出来るということではなく、強姦されるということが! もちろん、日本でそのような事件がない訳ではない。ここ石垣でも「夜の一人歩きは気をつけろ」と注意されたこともある。私は「強姦」ということがどういうことか、想像が出来ないくらいここ日本で幸せに生きているのだ、と改めて実感した瞬間だった。私は人に生かされ、人に支えられ生きているのだ。

Love Wings 米盛 佳織

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