旧暦五月四日は、海に関わりのある県下各地で伝統のサバニを見立て競漕。すなわちハーリー競技である。長き伝統ある糸満では、ハーレー、比較的新しい集落では、海神祭。所変われば、呼称変わるで伝統文化の異相を感じるものである。その上、様々な内容が盛り込められているから興味は尽きない。
メディアの映像から流れる各地の模様は、見る視点を変えると関心は一段と増すものである。宮古伊良部佐良浜では、獅子舞いが登場、海上安全と豊漁を祈願していたようだ。無論メインは舟漕ぎである。
私の見聞や体験からすると、八重山夏の一大叙事祭典である豊年祭で舟漕ぎをする地区がある。鳩間島であり、黒島である。豊年祭ではなく節祭りで舟漕ぎをする村落もある。西表島の船浮や祖納、干立である。
さて、白浜海神祭。一九三七年(昭和十二年)に白浜という集落と命名し立村した時に記念祝賀の意を込めて始められたという(司会者の紹介談)。かれこれ、一時中断はあったものの七四年は引き継がれてきたものと言える。
年々盛り上がりを見せて、今年は日曜日と重なったせいもあってか、大勢の人達が見学。職場や同好会対抗の職域ハーリーの部では、二十チームがエントリー、覇を競った。優勝は常勝の東海大チームを抑えてダイビング組合チームが優勝。圧巻は部落対抗競漕では、昨年惜しくも祖納公民館に敗れた地元白浜公民館チームが雪辱をかけて三週間前から練習に励んだ成果を見事に発揮、優勝した。おまけに婦人会チームも連覇を果たし、船浮白浜連合こどもチームも優勝。トリプル優勝となった。
戦い済んだ後は、子どもたちお楽しみ白浜海神祭ならでの恒例の海上収穫祭。パイン、りんご、みかん、キャベツ、トウガン等が海上に投下され、競って収穫を楽しんだ。目玉のスイカが見えなかったのが、子どもたちにとって残念でならなかったようだ。
この夜、白浜地域内は、在沖白浜郷友会員も加わり、夜遅くまで海人の家(公民館)で祝勝に湧くのである。