3月11日いつもと変わらない金曜日。梅や桃の花が開き、春の香りを感じたが、福島はまだまだ寒い日が続いていた。お昼ご飯を食べて、住んでいる山の公園で子供と奥さんと遊んでいた。
大地が揺れたそのとき、地面から突き上げられ、聞いた事の無い大地の音と共に3分ほど揺れは続いた。
真っ先に頭によぎったのが原発のこと。
僕らは以前から脱原発を胸に、勉強会や署名活動、県庁に要望書提出など、子供に残せる未来を作りたいと仲間達と考えていた。しかし、海岸は波にのまれ、原発事故が起きてしまった。僕らは仲良しの家族と考え話し合い、0歳と2歳の幼い命を守るため、最低限の荷物だけを車に詰めて福島を旅立つ。地震の次の日の出来事だった。
会津、群馬、長野、三重と、車で寝泊まりしながら距離を稼いだ。みんな体力的にも精神的にも辛くなっていた。3号機が爆発したときに更に不安で押しつぶされそうになる。中には最も恐ろしいMOX燃料が入っていることを、僕らは知っていたからだ。夜中まで話し合い、沖縄行きを決めた。石垣島に着いたとき、不安は無くなり安心感で溢れた。
チェルノブイリの事故の後、本気で日本から原発を無くそうと動いていた方との運命の出会いが石垣島に来て本当によかったと心から感じさせてくれた。その方の過去の想いや行動力を知り、今日本は変わる時だと教えてくれた。次は僕らが引き継がなくてはいけないと強く感じた。僕らが生まれ育った福島で起きたのも運命。
一部の人達の利益の為の不安社会はもういらない。お金や電気など欲を追い求めた結果、沢山の関係ない命たちの生活を奪った。福島の愛する自然を奪ってしまった。
現在55基の原発があり建設中も3基ある。地震大国のこの小さな国には多すぎる数。使用済みの核のゴミが溢れかえっている。この負の遺産を子供たちには背負わせたくない。
真実をみんな知りたい。本当の情報がみんな欲しい。命に関わる問題だから地球には太陽、風力、波力、地力という、素晴らしいエネルギーがあるじゃないか。原子力発電はリスクがあり過ぎる。そして闇があり過ぎる。
僕らは脱原発を目指す。話し合い、考え合い、共有し合い、助け合う、愛と平和に溢れた社会をみんなで作りたい。
福島の事故を無駄にしない為に、福島から世界を救いたい。使命感をもって。
NO NUKES ONE LOVE
ありがとう。