前回、ピアノの理想の練習は、毎日課題曲を5~10回ずつさらうこと、と書きました。これができない場合、子供に、というよりむしろ親御さんのほうに問題があるでしょう。つまり、どうしてもきちんとさせなくては、というはっきりとした気持ちがないのです。毎日練習が必要なのはわかるけど、まあ専門に進ませるつもりもないしそこまで…なんて思っていませんか? そういう気持ち、子供は怖ろしいほど本能的に見抜いていますからね。
さて、毎日練習しているとして、問題はその質です。
ケース1)両手でダラダラと間違いのオンパレード。↓両手が無理なら片手できっちり弾きましょう。メロディーの音は口に出して全部いえるかな?
ケース2)できない所はとばして5回弾いた。↓できない所だけを部分的に5回弾いて、通して弾くのは1回にしたら?
ケース3)長い曲、最後まで一回弾いたら集中が切れた。↓今日は8小節だけ、と少しずつ計画的に。
とにかく集中力のない練習は概して意味のない練習になっていますので、疲れるだけ無駄です。そこを見抜いて適宜調節してやりましょう。
さて最後に。ピアノの練習は何のためにするんでしょう? 伊能先生という方はこう答えました。「練習とは、いつの日か練習を不必要にするための手段である」と。その日は一生来ないかもしれませんけどね。しかしその日を夢見て練習に励みましょう。練習をしている人は、やっぱり上手なんです。