三寒四温の毎日の三月。旧暦の二月ということもあり、「ニンガチカジマイ」が襲います。前線通過にともなう天候の急変で、朝ベタ凪だったのが、数時間で北風15mを越える強風に襲われるこの時期は海人泣かせであり危険な天候であります。
そんな中、久々の「マヤグスクの滝」へトレッキングに出かけてきました。天候は曇り空で、気温は20度前後という良好なトレッキング日和。途中にはセイシカの花が咲きほこり、心を和ませてくれましたが、カンピレーの滝を過ぎて、いよいよ獣道に入り、険しいアップダウンの道のりが続きます。歩いておよそ2時間30分。それは激しく落ちる水の音から滝の大きさを想像させてくれ、突如目の前にその姿を見せてくれました。緑深いジャングルの谷に挟まれ、その険しさに勢いを任せるかのように激しい水量が一気に怒涛の如く流れていました。音と言えば、谷を駆け落ちる滝の音だけ。その轟音に耳は完全にふさがれ、人との会話をも拒んでいました。まさにここは聖地。人間の小ささを見せ付けられる場所。この滝はこうして何千年と、この激しさと雄大さを保持しながら、流れ落ちてきたんですね。いろんな時代を見てきたこの滝の洗礼を受けると、ここまでの苦労を苦労と思わせない、自然の偉大さに心を奪われるだけでありました。