平久保・平久保牧場の山林に根を張るギランイヌビワ(クワ科)です。胸高の幹周り8メートル30センチ、樹高約10メートルのずんぐりとした巨木です。
アウトドアの楽しさの一つに、巨樹・巨木との遭遇があります。樹齢100年とも200年とも数える一帯の主との出合いは感動的です。
昨年末、8・9年前の安良岳登山の折に遭遇したギランイヌビワを訪ねました。一般登山道が無い同岳は、国土地理院の地形図から斜面の難易度を推測して、安良側からの入山でした。入山して間もなく遭遇したのが写真のギランイヌビワです。威風堂々の巨木は、申し分なく一帯の主です。
今回、久々の再訪ですが、以前にも増して発達した板根は、更なる巨木に成長すること間違いないようです。ところで、ギランイヌビワは他の亜熱帯の木々同様、さほど直根が深くない植物です。そのため、成長するにつれ、安定性確保のため板根が発達するようです。
廃牧して久しい平久保牧場です。徐々に木々たちがテリトリーを広げています。在りし日の牛馬の避難小屋や薬浴場は木々に埋もれ、今ではその場所まで行き着けません。
亜熱帯原生林が生い茂るふるさとの山々です。巨樹・巨木との予期せぬ遭遇は、予期せぬがゆえに感動的です。ふるさとの山々が緑豊かであることのあかしです。
さて、次回はどのような出合があるのか楽しみです。