来る、焼く、アガー

誤用、慣用、咄嗟の言葉

話し言葉に関して、八重山出身の者はヤマトゥの地でそんなに肩身の狭い思いをすることは無いのではないでしょうか。宮古島や沖縄本島に比べてそれほど強い訛りは無いし、比較的平坦なアクセントは共通語に馴染むのも早いのではないかと思うのですが…。
 とは言え、八重山独特の言い方や方言があり、何気なく使っていた言葉が用法的に間違いだったという経験がいくつかあります。
 上京間もない頃、専門学校の女子寮に住んでいた頃の話。一室三人の共同住まい。炊事場も寮全体で共有です。ある時作り上げた料理を、先に階段を昇っているルームメイトに「今、持って来るー」と言って怪訝な顔をされました。持って「行く」が正しいですね。
 次に、天ぷらを焼く。これは、「揚げる」。
まさか今でも「砂糖てんぷらを焼く」なんて言っていませんよね。
 更にある時、満員電車の中。近くの人に思いっきり足を踏まれて、思わず「アガー!」。感動詞は咄嗟に出てくるものだけに、その後も何回かやらかしました。
 島を離れて三十年余。今では方言を思い出すのにやっきになっております。
○「行っちゃった」「しちゃった」ちゃったチャッチャッチャ 東京語に慣れ踊りたくなる

大川安子

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