Uターンして石垣島に戻った当初は、明石部落に借家をして住んでいた。一人で住むには勿体ないくらいに広く大きな屋敷で、庭に色々なハーブや野菜、コットンまでも植えて楽しんでいた。
種を蒔いて生えてきたニガナの群の中に、とある日タンポポのようにギザギザのある葉っぱを見つけた。噛んでみると苦く、正しくニガナではあるが、普通のニガナとは異なる形なので、これが俗に言う「突然変異」であろうと推測した。(ニガナは豆腐、ツナ缶を加え、酢と醤油で和えたら簡単調理で酒肴にぴったり)。それにしても形状が可愛らしいので、大事に育て、増やしていった。その後、現在の大浦山麓に山林を購入して農園を拓き、当然このニガナも引越した。月日が経って、色々な果樹や花木、ハーブ、野菜それに雑草が生い茂る雑然とした農園になっている。
ある日、すっかり忘れていたこのタンポポニガナを雑草の中に見つけた。見回したところ、この1株しか見つからない! これはデージ、この1株が枯れたらこのタンポポニガナはもう途絶えてしまう。という訳でこの株を知人の森井農園さんへ差し上げた。プロフェッショナルの森井さんが増やしてくれれば、この可愛いタンポポニガナもきっと世の中にデビューする機会を得ることであろう。森井さんは、産業まつりやJA祭りなどのイベント会場によく出店されるので、そのうちこのタンポポニガナも皆さまの目に触れる機会があることと思う。早く見てみたいという方は、川原部落と三和部落の変形4差路(トロピカルハウスのある交差点)からカラ岳方向へ向かう右側にある森井農園を訪ねてみるとよい。ピィパーズなど色んな苗木があり、楽しい農園即売所である。