与那覇岳に登る

念願の一等三角点を確認

沖縄本島の最高峰・与那覇岳(503メートル)の三角点(498メートル)です。
 同岳は、一般にやんばる(山原)と呼ばれる沖縄本島の北部・国頭村に位置する山です。
 沖縄県の最高峰は、もちろん我が島の於茂登岳(526メートル)です。与那覇岳は2位とは言え、早くから登山欲を駆り立ててやまない理由がありました。一つは、同岳の三角点です。それは、沖縄県では数少ない「一等三角点」が設置されているからです。於茂登岳は三等ですが、一等とはどのような形状かという好奇心からです。次に、「ブロッコリーのようなやんばるの山々」と言う表現です。
 さて、まだまだ残暑が厳しい9月中旬、定年後の余暇を有効活用した今回の登山でした。道標はありませんが、決して迷うことのないしっかりとした山道です。心臓破りの急登も無く、スタートして1時間余、難なく山頂に達しました。真っ先に目に付いたのが三角点です。念願の一等三角点です。
 確かに於茂登岳の三等とは異なります。明治44年に設置され、二十四の瞳で有名な小豆島産の花崗岩とのことです。まずは、登頂を記念してタッチです。
 ところで、山頂からの景色は、残念ながら木々にさえぎられて望めません。ここで不思議な事に気が付きました。三角点は498メートルですが、地図上の山頂は503メートルです。つまり、同岳は山頂を通過して、少し南側に下った場所に三角点が設置されているわけです。冒頭に記した二つの数字は、実はそのことを物語ります。
 次にブロッコリーです。それは、山岳全域にぎっしりと密生したイタジイ(ブナ科)で、凹凸を呈する山々の樹冠を言い当てた言葉です。百聞は一見にしかず、正にブロッコリーのようなやんばるの山々でした。
 下山時に遭遇したオナガエビネ(ラン科)の淡いピンクが美しい与那覇岳でした。姿は見えないが、さほど遠くない距離で、ノグチゲラの樹幹を打つドラミングが響きます。

松島 昭司

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