97歳になるおじいちゃんに代わり初対面の息子さんが出迎えてくれたのは米沢駅。まず案内したかったのが上杉神社や城下町など、天地人の舞台というわけであった。上杉博物館では、上杉茂憲、伊藤忠太、田中俊雄氏ら沖縄をこよなく愛した米沢人がいたことを知った。初めての山形、異郷の地に同郷の思いで迎えられた。上杉鷹山公の像の側には「なせば成る なさねば成らぬ 何事も 成らぬは人のなさぬなりけり」あの名言が。やはり思い浮かぶのは、「なしば何事ん なゆる事やしが 為さぬ故からどぅ ならぬ定み」。てぃんさぐぬ花の歌詞の一節である。
山寺で鳳仙花(てぃんさぐぬ花)が咲いていた。沖縄との深いつながりを感じたのです。
山ばかりの山形は、現在(羽黒山)、過去(月山)、未来(湯殿山)の三世に渡って救いの手をさしのべて下さる尊い神々が鎮まる出羽三山があります。12年に1度の丑年に参詣すれば12回お参りしたのと同じとされ大変なご利益があるという年に私たちは案内されたのです。山寺の空気、神秘的な気、山の神様を感じられたのも温かいおもてなしの心を受けたからのこと。銀山温泉はおしんの舞台。酒田、庄内地方は、おくりびとの舞台。安らかな旅のお手伝いをしていただいた伊原さん親子に感謝の言葉は言い尽くせない。
20年分の想いを温めカジマヤーの風車を土産に再会した。おじいちゃんまだまだお元気でいてくださいね。鳳仙花の花は爪先に染めて、山寺で出合えた言葉、山形で感じた人の情け、深く胸(肝)に染めましょう…。
「すみませんと言える人間がほんとうの人間 ありがとうと言える人生がほんものの人生」。ほんとうに、ほんとうにありがとう。山形のおじいちゃん。