10月18日~29日、愛知県名古屋市で生物の多様性に関する条約第10回締約国会議が開催されました。残念ながら「生物多様性の損失速度を著しく減少させる」という2010年目標は達成できませんでした。これまでの取り組みにもかかわらず、世界中で自然環境が急速に劣化していることが明らかとなりました。このままでは、私たちが健康な生活を送る上で必要な自然の恵みと資源(生態系サービス)が失われる深刻な事態がもたらされます。
こうした状況を少しでも改善しようと、アンパルの自然を守る会も参加する沖縄・生物多様性市民ネットワークでは、COP10の期間を通じて沖縄の生物多様性問題を世界にアピールしました。
具体的には、「小さな島々沖縄の大きな宝」をテーマに、沖縄の海、森、干潟の豊かな生物多様性、そして深刻な危機の状況の写真パネルを展示しています。このブースでは、毎日二回のトークショーを開催し、「生物の宝庫やんばるの森」、「いのちのゆりかご泡瀬干潟」、「基地・軍隊、その構造的暴力と女性」、「守りたい、辺野古・大浦湾の自然と暮らし」など、沖縄各地からの生の声が伝えられました。
また、「沖縄の生物多様性の危機: COP10議長国で何が起きているか」と題したフォーラムでは、沖縄で行われている政策、特に米軍基地建設に関するアセスがいかにわが国の生物多様性政策とダブルスタンダードであるか、そして沖縄において「環境」「平和」「人権」が いかに結びついているかが議論されました。
その他、生物多様性シンポジウム&沖縄の歌と踊り「沖縄の生物多様性を守るため、未来につなげるため」-沖縄の環境・平和・人権の現状と課題-、舞台「フクギの雫ー宮森小学校米軍ジェット機墜落事件から51年」、署名活動、沖縄生物多様性に関する声明、全国NGOとの共同声明、ポジションペーパーの発表などを行っています。まさに、名古屋で沖縄の生物多様性のホットスポットを旅することが出来るほどの催しが行われました。
CBD-COP10は閉幕しました。八重山ではあまり大きな盛り上がりが見られませんでした。自然豊かな八重山では、ともすると自然の価値を見過ごしてしまいます。しかし、皆さんお気付きのように年々自然が失われています。今、この自然を守らなければ、直接的、間接的に享受している自然の恵みを失うだけでなく、人類の生存にとっても大きな危機となります。
本当に大切なのは、生物多様性の保全に着実に取り組んでいくことです。皆さんも一緒に、身近な自然の保護に取り組みましょう。