石垣市市議会議員選挙では中山市長誕生の原動力となった青年層が推した保守系の新人が躍進した。世代交代が急速にすすんだ。
さて、民主党選挙では菅が代表になり、引き続き政権を担当することになった。
沖縄にとっては最大の不幸である。アメリカのいいなり、官僚の言いなり。どうしようもならない。自民党時代より以上にあくどい手法で負担を強いるだろう。
10年版の防衛白書が了承されたと「琉球新報」(九月十一日)は次のように報じている。
抑止力としての在日米軍の必要性を強調し、「米軍は『矛』として打撃力の役割を担っている」と記述。米軍普天間飛行場の県外移設は海兵隊機能の分散につながり、事実上不可能と結論付けた。島しょ防衛では、南西諸島付近の態勢強化に言及。宮古島以西について「部隊が配備されておらず、防衛上の一種の空白地域になっている」と懸念を示し、新たな部隊配備を検討している。
普天間基地の県外移設など菅、岡田、前原、北沢の念頭にはないのである。
つまり、南西諸島は地理学的、地政学的に軍事基地は当然であるということである。
まことにこの国は民主国家なのか。それとも権力優先の国家なのか。
沖縄県の議会、知事、地元が基地のたらいまわし、県内移設反対しているのである。それを、政府が抑えるというのはどういうことなのか。
かつて、国益のために宮古八重山は中国へ割譲されることになっていた。沖縄戦では捨石にされた。
一九四七年昭和天皇は琉球諸島の米軍長期支配を希望するメッセージを出したりしている。
日本人、日本国家が沖縄を必要とするのは、自分たちの生命財産の安全確保のためでしかない。
そんな国家や日本人のために犠牲になるのは、まっぴらごめんである。
地方分権という口当たりのいい言葉がある。財政の一部や各省の統治権を地方に移譲するというのである。
しかし、軍隊や基地など国家権力に関わものは移譲しないのである。
民主主義の民意で基地の県外撤去を決議しても、関係ないのである。軍事が優先されるのである。
そんな恐ろしい国家優先主義者たちが日本の内閣なのである。
戦前は治安維持法で弾圧し、現在は厚生省の村木局長を嘘八百並べて検察がデッチ上げした事件のように、検察が白を黒と言い含めて地獄におとしているのである。我が師も死ぬまで無罪を主張したが、聞き入れられず無念のまま逝った。免罪事件と思う。
一九九八年の沖縄知事選挙に官房機密費が当時の自民党候補者に出されたと鈴木宗男代議士が暴露し話題になったが、琉球新報米バージニア通信員の鈴木多美子によれば、この機密費の件は、国際政治学者、チャルマーズ・ジョンソン氏の2004年出版の著者『帝国アメリカと日本、武力依存の構造』の中で言及されている。基地に反対する大田昌秀知事(当時)は、邪魔であり、何が何でも東京とワシントンになびく候補者に当選し
てもらう必要があったと言う。さらに、ペンタゴンにせき立てられ日本側は、内閣官房長官が沖縄問題の私的諮問機関をつくるなどして、米軍基地のある市町村に最高1千億円の振興策支援を提言したり、内閣官房機密費から選挙資金を流した。それだけではなく、中央政府は、大田知事との接触を控え、通常の補助金まで打ち切り、沖縄経済を不振に陥し入れる政策をとった。その結果、沖縄経済を低迷させた非現実的な知事だとのネガティブキャンペーンを成功させた。これが98年の知事選の内幕としている。(9月13日)
かつて、民意で当選した瀬長亀次郎那覇市長を追い落した米民政府や自民党と何がかわるのか。
官僚、アメリカの言いなりの民主党も自民党政権とかわらぬ手法をとるであろう。
辺野古の強制執行も真近かだろう。そのとき沖縄は日本に訣別し声を大にして独立を叫ぶべしである。