桴海於茂登岳トレッキング㊦

純白の川砂スナンカーラ

一息付いたら出発します。
 分水嶺の中ほどから北に向かい、茂みに突入します。林床にはシダ植物が繁茂し、道はありません。右寄りに下ります。程なくして茂みも終わり、花崗岩の風化土壌の平坦な谷間湿地に降り立ちます。スクザーラカーラの源流です。
 流れに沿って下ると左手にかまど跡が見えます。先の大戦時に桴海於茂登岳に布陣した曽我部部隊のかまどです。また、かまど横が桴海於茂登岳への登り口です。
 さらに下ると水量も増え、純白の川砂が美しい緩やかな川に変わります。先人たちは、ここをスナンカーラ(砂の川)と呼びました。樹間を西に見上げると同岳の東斜面が確認できます。
 川に沿って下ります。途中、東から別の支流が合流します。同支流の奥にウマヌファ岳へ向かう登山口があります。川を渡るといよいよ桴海於茂登岳のトレッキングコースも終盤に差し掛かります。
 長々と下りが続き、山道沿いには巨木・オキナワウラジロガシ、イタジイが出迎えます。さらに尾根道を下り、水量の少ない小川を渡ると次はヤエヤマヤシの群落です。林立するヤシにも感激ですが、一部、先の13号台風の倒木が目立ちます。
 大型のシダ植物・ナンヨウリュウビウンダイ群落を過ぎると終点の猪垣です。ゲートを出てキビ畑を左にう回すると、米原の知花食堂横から伸びる舗装道路の先端です。ゴールです。終盤の所要時間約70分、合計約4時間(休憩・昼食含む)の桴海於茂登岳トレッキングコースでした。お疲れさん。

松島 昭司

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