白保村を象徴する一つに白保小学校運動場に植栽されている三本の木がある。トラックの第三コーナーの走路をまたいで枝を広げている。年輪を重ねてきた三本の木々。向って左から、アコウ木、ガジュマル、そしてデイゴと連なる樹木である。「これぞ知る人ぞ知る白保の三本木である」。
学校が明治二十三年六月に設立されたことから、樹齢百二十年は過ぎた由緒ある記念木である。
ところが二、三年前から、このデイゴの木も例に漏れずに、デイゴヒメコバチの寄生にあって、枯渇寸前までになり、三本木のデイゴが、存命の危機に直面した。
運命を案じた学校関係者が、手厚い看護と防除策によって、ここ二・三月に勢いをまして青々と緑葉が蘇り、大手を振って夏風になびくようになった。
それはそれは、高価な薬剤アトラック溶液を十八本も幹に注入(時価一本二千五百円)。注射器やボンベ代込みで五万三千六百五十五円の経費がかった。一本のデイゴの手術代金が高いか、どうかは、読者の賢者の皆さんに委ねるとしよう。
この一本の木を守るためには、西村校長を先頭にPTA役員、ゆらてぃく憲章委員会、NPO花と緑の石垣島の皆さん方の時間とお金と労力の献身的支援があったからこそ、白保三本木のデイゴは息を吹き返したのである。二枚の写真を対比すれば一目瞭然である。