選挙のあたり年に

カル菅政権下の参議院選挙は予想通り民主党が惨敗した。イラカンは姿を消し、カルカンとなり消費税率引き上げなど軽くいってのけ自滅した。慰霊の日には沖縄の基地負担に感謝などと発言し怒りをかった。前回も書いたがこれがかって婦人運動の神様市川房枝の選挙運動を支援していた市民運動家なのか。つ
いこの間まで基地の国外移設を云っていた民主党の代表者のいうことか。菅は沖縄をなんにもわかっていない。無智であり無恥である。
なんのとり柄にもないのに幹事長という役にはしゃぎまわり、小沢批判を繰り返す軽佻浮薄の枝野何某。政権基盤がぜい弱な上に消費税率引き上げとくる未熟者の選挙では永年政権政党であった老獪、百戦錬磨で、政権奪取に死物狂いの兵どもに勝てるわけなどないだろう。権力の座につくと豹変した民主党は
参議院第一党となった自民党と政権維持のため取引をしながら、やがて逆にとりこまれ党内争いから空中分解するだろう。政治に裏切りはつきものだが〈静かなる革命は終焉した〉。
 沖縄では自民党の島尻安伊子が圧勝した。
〈革新〉が分裂選挙で勝てるわけがない。それにしても、自民党候補者が〈基地の県外、国外移設〉を公然といい放ちとりこんで〈革新〉のお株を奪って行くところはさすがである。
 それにしても自民党の候補者までが県外国外と言わざるを得ないところに沖縄の基地問題の深刻さがあらわれているのだ。
 島尻安伊子が石破茂など自民党の防衛族と対等に基地の県外、国外を渡りあえるか、喜納昌吉が民主党で獅子身中の虫となり孤軍奮闘したが島尻にそれを求めるのは酷であろう。
嘘も方便というが公約した以上、島尻の基地発言にこれからも注目したい。 今年は選挙のあたり年で、九月には石垣市議会議員選挙や与那国町議会選挙がある。
 候補者の事務所も目につくようになってきた。議員選挙だけに関係者は熱く燃えている。ただでさえも暑いのに血縁、地縁とやらがやたら名刺を配りお願いお願いして帰るのである。
 普段はろくに挨拶もしないひとや、見知らぬ人が突然訪ねてきて、猫なで声であなたとは親戚ですなど、ミトコンドリア・イヴのようにはるか太古のことを持ち出してくるのには笑いを通り越して腹が立つ。議員として何をしたいのか。政策も方針も、意見も考えも述べず、ただ愛想笑いをしながら〈がんばります〉を繰り返しているのにはイナムヌとしかいいようがない。
 政治がひとを絶えず裏切り、疑心暗鬼の世界に引きずりこむドロドロしたものであることは論をまたない。地縁血縁の世界から立候補した者に疑念を挟む者は厳しく糾弾され、村八分や追、絶交は当然のようになされた。
投石や糞尿が撒かれ、血の雨が降り、時には殺人事件に発展した。これはつい近年まで行われていたことである。いや一部におては現在も続いているのである。
 余談だが市会議員というとかって石垣市では、市役所へ臨時で採用されるのに地域の与党の有力議員の同意が必要とされた。恥すべきことだが本当の話なのである。
〈民主党に非ずんば人に非ず〉と民主党(※現在の民主党ではなく一九四八年に結成された八重山民主党のことである)非難した
人たちが同じことをやってのけたのである。 さて、選挙管理委員会ではないが、〈一票の重さ〉を候補者も有権者も真剣に考えるべきである。託す託される政治関係において地縁血縁など無縁であり、政治は時には冷酷であり、残酷でさえある。情緒や系図の世界ではないのだ。
 おどろおどろしい魑魅魍魎の世界、疑心暗鬼の世界、裏切りと離反、ズタズタに身も心もされてしまう世界なのである。
〈ウヤクヤリイキードウデン〉(親戚だからお願い)と言われ投票したら僕の首をしめていた―となったらどうなりますか。
 暑い夏、冷やそうめんでも食べて寝ます
起こさないでください。

大田 静男

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