まぼろしの紅梅古酒

まぼろしの紅梅古酒

これからどうなる?

幻の紅梅古酒、東京の西のはずれ、人口14万程の青梅市は、名前の通り梅の町です。何百種もの花梅が植えられている公園、梅干しを生産するための梅林を持っているたくさんの梅農家、街路樹も、もちろん各種紅梅の木です。これらの梅の木が数年前から、アブラムシが媒介するというウィルスの被害が出始め、ほぼ全滅になってしまいました。この紅梅、通常は利用される事無く熟しては落ち、気に留められる事もなく、なくなってしまうものでした。奇しくも3年前、偶然にまとまった量の実を頂き持ち合わせていた泡盛古酒で漬けてみました。忘れていた頃できていた梅酒は芳醇な薫りとコクとキレの良さ、今まで味わったことのない旨い梅酒になっていました。昨年はもちろん紅梅の実を集め仕込みましたが、ウイルスの関係で、市内岳でなく近隣でも被害が広がって、梅の木は伐られ焼かれ、処分、土も消毒するとのこと。それでもなんとか集めた紅梅の実で、今年も昨年並に仕込むことができました。紅梅は、花を愛でるもの、生活の役にたてるものではないので、公共施設や公園等に主に植えられています。稀にご家庭で植えている方もいて、お願いをして頂いたりしています。来年はどうなるか、今年仕込んだものは幻の紅梅古酒になるかもしれません。

大野 悦子

この記事をシェアする