於茂登岳北面

於茂登岳北面

行く手を阻む亜熱帯原生林

ウマヌファ岳(四五〇メートル)の山頂から望む於茂登岳(五二六メートル)の北面です。行く手を阻む亜熱帯原生林が繁茂する北面です。
 さて、広大な同北面は、米原集落や富野集落又は北部を走る県道79号線からは望めません。前述のウマヌファ岳や桴海於茂登岳(四七七メートル)の山頂からでないと一望できません。そのため、人目に触れない同北面は、神秘的な感ひとしおです。
 同北面に降る雨は、於茂登岳と桴海於茂登岳の分水嶺を境に、北は荒川川から東シナ海に注ぎ、東はトゥンナーラを下って真栄里ダムに注ぎます。
 2003年の若夏、米原集落の背後からかすかに残る先人たちの尾根道を登り、最後はやぶをこいでウマヌファ岳の山頂に達しました。これまでの登山にはない一苦労のウマヌファ岳でしたが、それを一掃する山頂からの三六〇度は絶景でした。
 真っ先に視界に飛び込んできたのが写真の於茂登岳の北面です。視界いっぱいに広がる同北面は、28ミリでも納まりきれません。行く手を阻む亜熱帯原生林が於茂登岳、中於茂登岳、そして、川平大嵩へと連なっています。
 同行の友人と感激を分かち合った於茂登岳の北面でした

松島 昭司

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