地元の人たちが「バリ石」と呼ぶ、伊原間牧場下の浜にある大きな石の塊は津波で打ち上げられたものであることが判明した。塊はハマサンゴであり、「津波で打ち上げられたハマサンゴ」として世界最大とのこと。これは、後藤和久氏(東北大学・災害制御研究センター・助教(理学博士))らの調査で確認され、1月に国際的な科学専門誌(Marine Geology誌)にも掲載された。
その津波とは、1771年の明和津波であると考えられてきたが、科学的な根拠はなかった。それが今回、荒岡大輔氏(東京大学海洋研究所)らの年代測定で、明和津波により打ち上げられた可能性が高いことが明らかになった。
石垣島での明和津波と津波石に関する研究は、現在世界中の研究者の注目を集めており、4月に仙台で行われる第3回国際津波シンポジウムの後の巡検地域に石垣島は決定しているとのこと。巡検には世界各国の研究者が石垣島を訪れる予定だという。今後バリ石が新たな注目を集めそうだ。