第5回米と麦の多様な文化

川平地域の景観地区指定を実現しよう

スポーツを見て私たちが楽しめるのはなぜでしょうか。自分自身がプレーしている時でも感じるあの高揚感、満足感はどこから来るのでしょうか。相撲はあの限られた土俵の中だけでしか勝負はできません。もちろんだだっぴろい芝生の上でも相撲は取れるでしょうが、あの緊迫感、躍動感は狭い土俵上の白熱の勝負にはとうてい及びません。私たちが喜びや、達成感、充実感を強く感じるのは実は「ある程度の制約」の中だからこそです。若いときは往々にして決まり事は自分を縛るものとしかうつりません。しかし制約、規則などのない社会は存在しません。
 私たちの住む環境もより快適に上質な生活を楽しむためには色々な制約を受けています。好き勝手に道を作ったり、基準に適合しない建物が次々に建てられたりしたらそこには混沌とした景観しかないでしょう。それがもし私たちが愛着や、誇りを感じる特別な場所であればなおさらある程度の規制はやむを得ないと考えます。理不尽で、非合理的な強制でない限り許容すべきでしょう。そういう場所、土地のひとつが自然百選や世界的な評価であるミシュランの三つ星を受けた川平地域なのです。このかけがえのない島の財産を守るのは市民、為政者の重い義務です。乱開発や自然破壊からこの島を守るための「景観地区指定」を自らの利益のため妨害、骨抜きにしようとする一部の動きはまさに天に唾するものであり、この豊かな自然の恵みを与えてくれた島の恩を仇で返すものです。景観地区に指定されたら生活に支障をきたしても変更できない、などと偽りの情報で地区住民を煽動しようとする一部議員の動きは看過できるものではありません。これから名蔵の獅子森地区、白保地区などが景観地区指定を受けることになりますが、私たちは「わがこと」としてこの問題を考え、行動していきたいと考えます。より多くの市民の皆さんが志を同じくしていただけることを願っています。 

共同代表 江川義久

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