『ミンサー全書』

『ミンサー全書』
『ミンサー全書』

出版文化賞特別賞に!

 2009年5月4日(ミンサーの日)に発刊された、「あざみ屋・ミンサー記念事業委員会編『ミンサー全書』(南山舎)」が、第30回沖縄タイムス出版文化賞特別賞を受賞した。
 同出版文化賞は、沖縄をテーマとした優れた出版物に贈られ、今回は選考対象作301点の中から、正賞に3点、団体による著作を対象とした特別賞に2点が選ばれた。著者とともに版元も表彰するところが同賞の特徴。
 12月5日に行われた表彰式では、「まさにミンサーの大百科」と高い評価を受け、著作者を代表し、あざみ屋社長の新賢次氏が、「地域に役立つ学術書を作りたい、ミンサーの価値を確立したいという気持ちから出発し、今回の受賞をたいへんうれしく思っている。本書をきっかけに県内各地の多くの染め織りが文化的、学術的な視点からとらえられるようになればいいと思う」と挨拶。
 記念事業委員会委員長の波照間永吉県立芸大教授は、「一企業の記念誌にとどまらず、多くの人々が活用できるものがつくりたかった」と制作への思いを語った。
 また、大田静男著『八重山の戦争』(1996年)、松田良孝著『八重山の台湾人』(2004年)に続き、版元として3回目の受賞となった南山舎の上江洲儀正社長は、「著者とともに版元をも表彰してくださることは我々のように日本の端っこで出版活動をしている者にとって非常に励みになり、勇気を与えてくれます」と、感激をこめ謝意を表わした。
 ミンサーにかかわる多くの関係者の協力と、そうそうたる執筆陣の熱意によって形をなした『ミンサー全書』が、「いつ世まで」も広く活用されていくことを期待したい。

やいま編集部

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