四ケ字(シカアザ)といって何の事かピンと来る人は石垣島の中でも少なくなってきている。四ケ字とは石垣島の中心部にある「字石垣、字大川、字新川、字登野城」の4つの字(アザ)を取って「しかあざ」と呼んでいます。
その昔、何年前かはさすがに分かりませんが、離島から石垣島に行く時、石垣島に行くと言わずに「シカに行く」、「シカに帰る」と日常的に使われ表現されていたていたそうです。このシカアザ、石垣島では現在ではほとんど使われなくなりましたが、なぜかその言葉が東京で生きているんです。それが「東京しかあざ会」です。
東京しかあざ会? 歯科? 歯医者? 痣? と間違う人もいますが、東京で石垣島の四ケ字出身者を集めた会を「東京しかあざ会」と称しています。この東京しかあざ会は十一年前に結成され、今日まで郷里石垣の為に活動を続け、現在約300名ほどの会員がいる所帯となりました。
東京しかあざ会が石垣島の四ケ字と少し違うところは四つの字に加えて(美崎町・新栄町・浜崎町・八島町)と他の郷友会に属しない川平・名蔵地区を含めており、その総称を、ひらがなで『しかあざ』と謳いました。これは初代会長・羽鳥秀男氏が東京しかあざ会会報創刊号にて紹介しています。つまり「東京しかあざ会」は四つの字のみを指すのではなく、「他の郷友会に属しない地区を抽象化した総称となっているのです。
2008年9月発行の東京しかあざ会機関誌「二都通信」の中で三木健氏がこのように書かれています。「長年故郷を離れて生活をしてきた郷友の皆さんにすれば、「しかあざ」こそが石垣であり、ふるさとの香りが立ち込める言葉なのである。」確かにそうなのかも知れません。まだ「シカ」という表現が残っている頃に石垣島から大和に出てきた方々の中で石垣島とは「シカ」なのだろうと思います。
先に書きましたが、東京しかあざ会では「二都通信」という石垣と東京の二都市を結ぶ意味を持った機関誌を毎年発行し、石垣島との連携を図っております。この記事を読まれた方には、東京に「シカ」が生きているという事と、東京しかあざ会が存在し、会員、役員が「シカ」の為に頑張っている事を知って頂けたらと思います。