黒島の成人式模様

全島民が主人公のお楽しみ会

八重山全域に於いての成人式は一大祝賀会である。将来の郷土発展を担う成人者には大きな活躍の期待が寄せられている。私は度々古里の成人式に出会うが、昨年は、島仲玲奈さん・宮良りり子さん・大底幸広君・仲盛浩樹君・四名の御成人を観光客をも招き全島民で祝った。嬉しいことに遥遥那覇市から恩師の前花邦宏先生も駈け付け御出席頂いた。成人者には一生涯忘れることはないでしょう。又吉清真さんの名司会により主催者の公民館長又吉智永氏の挨拶に始まり、老人会長宮良当成氏の乾杯の音頭、在石垣黒島郷友会から銘里君夫氏の祝辞、教育委員会の前上里徹氏による町長祝辞代読とプレゼントがあり、和やかに開会された。さあー、演芸が始まる。婦人会の御前風、壮年会の“まず一献”お笑いタレント顔負けの青年会の漫才や寸劇、物凄い芸達者振りを披露し会場内は大爆笑の連続であった。また、船道希帆の賛助出演もあり、特に城所姉妹によるニコニコ顔のダンシングは一寸一歩も違わずマッチして素晴らしかった。恩師からの激励の挨拶に加え、四名の成人者は舞台上にて“島唄”を唄い、しっかりした将来の目標や抱負を述べられた事には感心した。“芸達者アイランド黒島”の名の通り延々と楽しく演芸が進められた。最後は、やはり婦人部によるプロ級の“黒島口説”の舞いを見せ、唄・三味線・笛・太鼓は見事なまでに成人式を大きく盛り上げてくれた。会場は終演を惜しむ奮囲気の中、東筋支会長島仲秀憲氏の元気で大きな声の閉会の辞があり、万歳三唱で幕を閉じた。さて、今年の成人式はどの様な楽しさが待っているのだろうか。…私は古里を想い起こす度に次の詩が込み上げてくる。☆牛の声、幼き頃を、思い出す。☆山羊の子は、何より可愛い、肌触り。☆海の島に育った人間が、今は山国の人となり、川を探し川に潜り、懐かしきは、あの口鼻の痛さなり。☆津久井湖の湖船に乗りて、山々を眺むれば、山肌の桜は私に語りかけ、明日への活力湧きにけり。☆古里の、老い行く父母は、元気かな。

又吉 英伸

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