杉本 繁文(すぎもと しげふみ)さん
祖納西2組出身。農高卒。沖縄本島で5年ほど会社勤めをしたのち、4年前に帰島。祖納青年会副会長。
≪みなで協力して頑張っています≫
島内4ヶ所の畑で、与那国特産の長命草を育て、工場で加工し、出荷している杉本繁文さん。長命草の加工工場は与那国で唯一。今、島内の長命草生産農家20件みなが契約農家である。すべて与那国薬草園の工場で、集めた葉を洗浄、乾燥する一次加工がなされ、島外に出荷されている。会社代表はお兄さんの和信さん(38歳)。何年かは島外で働いたのち、将来的には島に帰ってこようと思っていた繁文さんのところに、お兄さんから「一緒にやらないか」と連絡が入り、戻ってくることを決めた。
島内では昔から、海岸沿いの岩場などに自生している長命草。自家栽培している人も多かったが、広い畑での栽培を始めたのはお兄さんだった。古くから、万病に効果があるといわれ、抗酸化作用がある長命草。島内でも、長命草そばなどが製品化され、さらなる特産にと動き出していた。
≪資生堂より、長命草製品誕生≫
約2年前、与那国薬草園に東京の㈱資生堂から声がかかり、与那国の長命草を使った『長命草〈ドリンク〉』と同タブレットが誕生し、今年9月より全国販売された。できあがった製品を見せられた時は「感動した」という繁文さん。ポリフェノールやミネラルなどの栄養素を豊富に含んでいることなどでPRし、女性に人気で、タブレットは完売になった。「島のために内地の企業さんの力を借りることは大事だと思うんです」と話す。
ところが、その矢先の台風。今年9月にやってきたふたつの台風により、他の農産物同様、島の長命草は根こそぎやられてしまった。
休みなく働く繁文さんに、いつまで休まないんですか?と聞くと「わからないなー」と。今、島内から大きな期待のかかる長命草。それを止めるわけにはいかない。来年には、加工工場を新築し、規模も大きくなる。
祖納青年会で副会長も務める繁文さん。友人と、台風後のゴミ拾いをしたり、田原川の清掃をしたりと地域のための活動も進んでやっている。
≪与那国という名前を全国にアピールしたい≫
もっと与那国が有名になって、与那国をわかってもらって、人が来たいと思う島になってほしい。島がもっと活気づいてほしい。島の将来のために。