3月23日から一週間、ドイツ・ミュンヘン大学の学生6人と通訳1人が竹富島を訪れました。これは、一昨年種子取祭の様子をくまなく見学した九州大学の河野俊行教授の計らいで実現したもの。ユネスコ世界遺産の日本委員である河野教授は、民俗芸能を無形文化遺産として登録しなければと主張。そういった祭りを継承している地域が日常はどんな努力をしているか調査するため、竹富島をフィールドに選んだということです。メンバーの専攻はジャーナリズム2人、法学2人、アメリカ文化史1人、医学1人、日本語講師1人と多岐にわたっています。
到着の23日夜は、折りしもNHKが災害に強い日本の木造建築ということで世界文化遺産10ヶ所を放映したので、これを鑑賞して意見交換。24日は集落内からコンドイ浜まで見学しながら、海岸清掃にも協力してくれました。特に御嶽については成り立ちや、祭りの維持などに関心を持って質問していました。夕食はゆがふ館広場でバーベキューパーティーと芸能交流会。青年会のエイサーと太鼓のワークショップは好評でした。25日は高齢者センターの薬草園で話を聞いた後、ボケ防止と聞いて試しにゲートボールをしてみたら関心をもち、夕方は老人クラブの有志と交流試合を行いました。夜はビクター制作の1時間30分の種子取祭ビデオを鑑賞。26日は河野教授との討論会。その夜は芸能交流会とイーヤチづくりを体験。27日は児童生徒との交流会でしたが、なにせ2メートルもの大男ぞろいです。子どもたちも最初は戸惑っていましたが、サッカーを始めたら果敢に立ち向かっていました。午後は診療所の指田医師と地域医療について意見交換。夜は島のコミュニティーと町並み保存について、泡盛を酌み交わしながら遅くまで議論を重ねていました。28日にはせっかくだからと雨に降られながらも西表島へ。北国のドイツとは違った、また竹富島とも違った風景に感激していたようです。そして29日朝には民宿のおばさんやヘルパーたち、すっかりうちとけた子どもたちと握手を交わして、ドラ太鼓でのかりゆしの歌に見送られ帰国していきました。一週間お世話したヘルパーの中にはドイツ語の本を買ってきて色紙にメッセージを書いたりする人もいましたが、子どもたちもいつかドイツを訪れ交流が進めばいいですね。ネットワークがまた広がりました。