10月10日、竹富島のこぼし文庫で、毎年10月10日を「島の日」とする宣言が行われた。これは「日本の島425プロジェクト」によるもので、発起人は作家の志茂田景樹さん、グラフィックデザイナーの平松暁さん、竹富集落景観保存事務局長の上勢頭芳徳さん。島に息づくルールや祈り、共同体のぬくもりに学び、自然環境や人間の生活・精神環境を回復していきたいという考え。まず「島に本を贈る運動」を展開する予定で、今回は竹富島と鳩間島に本が贈られた。
折しも竹富島は種子取祭で、奉納芸能に湧く最中。発起人の一人である平松さんは「島はすでに強烈なメッセージを発している。日本に425ある有人島を都市に対する『田舎』ではなく、あくまでそれぞれ個性を持った島と捉え、全国の『島に生きる人』が島での生活や心のありようをそれぞれに発信し合い、本土に住む人も『島に生きる知恵』を感じて学びとることができれば素晴らしいでしょうね」と語った。
さて、その後こぼし文庫では、竹富島出身の女性が「石垣の図書館にはない『大神島』など貴重な本がここにあるのに驚いて、羨ましく思ったのですが、本を送ろう運動で贈呈されたんですね。今私は石垣島在住ですが、価値ある本が手に入りにくいのは事実。こういう運動はすばらしいです。もし自分の集落に送ってもらえたら、寺子屋みたいな図書館を作ってみたい」と述べていた。
「本を送ろう運動」は、日本の島425プロジェクトの第1弾だ。スローガンに掲げられているように「いきの長い幅広い活動」を期待するとともに、我々は自分たちの島の良さを見直し、さらに発信するひとつのきっかけにしたいものだ。