蛇になった怠け者

 昔、母ひとり、子ひとりの家族がいました。母親は毎日、朝から晩まで畑仕事や糸紡ぎをして働きましたが、息子はいつも家の中や近くの木陰でごろごろして少しも働こうとしませんでした。
 そして、とうとう母親が死んだときも、近所の人達がみんなで葬式をやってくれているのを家の外の木の下でぼんやりと見ているだけでした。
 それを見ていた神様は「そんなに何もしたくなければ手も足もいらないだろう。おまけにいつもごろごろ寝ているのなら、一生地面の上をはうようにしてやろう」といって持っていた杖をひと振りすると、息子の手足がなくなり、からだがのびて一匹の蛇になり、近くの草むらの中へゴソゴソと入っていってしまいました。

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