カエルとカニのかけくらべ | 熊谷溢夫の昔話#4

むかし、月夜の晩に、カエルとカニがかけくらべをした。
はじめはカニの背中にカエルが乗って走った。
カニは砂浜をサーッと走った。
「お前、なかなか速いなー!!」
次にカエルの背中にカニが乗った。
カエルはカニに言った。
「お前は、ずっと上の方のお月様を見てろよ。
下見ると目まわして死ぬぞ!!」
カニは月を見ました。雲がどんどん走っていかにもカエルが走っているように思われて「こいつもなかなか速く走るなー!!」と思いました。
カエルは悪知恵をつかって、
すっかりカニをだましたのですが、
カニがふとそれに気がついてカエルを砂浜にどんと投げとばしたので、
カエルの腰は今ではペシャンコになってしまっています。

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