「石垣リゾート&コミュニティー計画(仮称)」の現地を見る会が、10月3日午後3時から開催され、約80人がバンナ公園南口で車に分乗し、計画地が見える4か所から同計画の現地を観察した。開催したのは、アンパルの自然を守る会(島村賢正会長)と我がーやいま自然環境を考える会の2つの会。
この日、集まった80人は、バンナ公園の前勢岳が一望できる橋に集合して、緑に覆われた計画地を見ながら、石垣島天文台のすぐそばの広大な緑が開発され、多数の建築物と整備のために、豊かな自然が広がる場所に農薬などが常時投入される可能性がある現場を確認した。
この後、浦田原へ移動して、近くでその様子を確認。同リゾートが必要とする水の量の膨大さが、問題となっている点を紹介した。建設予定のヴィラハウス58棟の各棟にはプールが設置されると、山崎雅毅アンパルの自然を守る会事務局長が指摘。島にとって貴重な水源の活用が、広大な自然を開発する一企業に恒常的に過重負担され将来を憂えていた。
また、隣接する浦田原の農地への影響も指摘していた。
このあと、移動して水源地のウガドゥカーラで、前勢岳の麓からのきれいな湧き水を確認。自然が荒らされると、このきれいな湧き水もどうなるかわからないことを説明。参加者の小学生が水中にいるカニを発見して、周囲の参加者はひっそりと生をつなぐ小動物を確認し、この場所の豊かな自然を実感していた。
この日は、広大なゴルフ場リゾートが生まれることで、何が起こってくるかを直に確認することで、多くの人への計画の実態を知らせ、署名活動などへの協力を呼び掛けていた。
また、この計画を公約にして支援する市長の姿勢も糾弾していた。
同見る会は、最後にアンパル大橋の駐車場へ移動。橋から前勢岳を望みながら、建設予定地となる広大なエリアがどれぐらいになるかを再度確認。最後に、地元の古謡アンパルヌミダガマーユンタを歌える人らで合唱。多種多様なカニ達の賑わいぶりを歌にした曲で、先人の自然への眼差しが光るたのしい曲。リゾート計画を見る会の締めくくりに、先人のユンタが響く光景には、残したいものへの思いが溢れて見えた。
なお、同計画はユニマットプレシャス(高橋洋二社長)が2007年の土地購入から進めているゴルフ場で、リーマンショックで一度は中断したものの、2017年1月から計画段階環境配慮書の縦覧がはじまり、住民説明会などを経て、2018年に計画を公表。環境影響評価方法書、同準備書の縦覧を経て、環境影響評価書が提出され、知事意見が6月14日に発表されている段階にある。
意見書には数多くの必要に応じた対策などの事業計画の見直しが県知事から要請されており、手順としては、ユニマットプレシャス側での評価書の補正が実施されている模様。
今後、補正された評価書が県へ送付されると、一般に公告縦覧される。
認可はその後にになる。
127・4ヘクタールの広大なエリアに建設されるゴルフ場は18コースと、クラブハウス、ゴルフ教室棟だけでなく、4棟のホテル(11階、9階、5階が2棟)と一戸建てヴィラハウスが58棟、レジデンス2棟(5階)が建設される計画。
なお、10月9日には、大川公民館で午後7時から西表島のリゾート建設の反対に立ち上がった石垣金星氏を招いて、講演を予定している。西表島ではリゾート計画もユニマットが地元の反対にもかかわらず、行政側の支援で建設。
(流杉一行)