昔、ある部落のはずれに村人が神様が宿る木として大切にしている大きな木がありました。その頃、王府では、宮殿の建て直しで、あちこち柱になる木を探していて、この部落の大木も切り出すことにしました。
村人が「これは自分たちを守ってくれている大切なご神木だから」と訴えましたが、役人は村人のいうことを聞かずに、切りたおして宮殿の柱にしてしまいました。
宮殿ができあがって、そこに王様が入るようになると、どこからか女の人の泣き声が聞こえるようになり、誰もがその宮殿に入るのをこわがり、とうとうその宮殿は使われることもなく、くちはててしまったそうです。