少しづつ温暖な日和を迎えている八重山地方は、3月3日、セイシカの花がバンナ公園セイシカ橋のそばのトイレ横の植え込みで、5輪ほど咲いているのが見られた。ツツジ属ツツジ科の常緑小高木。山中の沢の近くで、高く枝を伸ばして咲くため、近づけば見られず、遠くからはなお見づらい。そう易々とはお目にかかれない花だ。そのため幻の花とも称されている。石垣島や西表島などの山奥に自生しており、バンナ岳そのものを公園にしたバンナ公園には自然のままの自生のものと、植栽されているものがあり、毎年開花して市民を喜ばせている。山奥の人の目の届かない場所で咲き誇るセイシカは、その薄い紫の上品な花の色から聖紫花と漢字を当てる。この花の美しさもあるが、木の頂き付近で天に向かって人知れず咲く様にロマンを感じるファンは多い。庭に植栽する人も多々あり、剪定して高くせず、ほどよい高さにしてその美しい花を楽しむ。庭づくりの好きに人には、断然ほしい花である。