7月20日、竹富町黒島の宮里海岸で黒島の豊年祭が開かれた。黒島の豊年祭は、船漕ぎ競漕がおこなわれ、ほかの八重山の豊年祭とは少々異彩を放つ。今年のトピックスは、はじめて宮里村が勝利。いつも会場を提供する宮里が、勝たないままきて、突如の勝利。まさに42年目にしての快挙。しかしよくも41連覇が話題にならなかったものだという声も・・・。まあそこは、勝敗より親睦の祭りなのだ。この日、婦人会からの冷たいお汁粉が無料で振る舞われたほか、演目もミルクの登場やガッキブドン笠踊りなど地域食の色濃い舞いや棒術も披露され、豊年祭会場は大いに盛り上がっていた。黒島は、1月に最初の牛のセリが始まることや2月末には牛祭りで盛り上がるなど牛の行事が冬に続く。農業は畜産主体だ。五穀豊穣とは距離があるが、豊年祭はこの際、畜産振興に祈りは向いている。7月の豊年祭では、洋上での波間をいく船漕ぎ競漕で、琉球の信仰からすればニライカナイから櫂で幸をこぎ寄せることになる。ニライカナイからは、まさに牛の安産と価格安定を引き寄せるのだろう。海の彼方の世界経済に左右される日本経済であれば、ニライカナイ信仰は、たゆまぬ上手な「飼い」捌きが大事?