ミドリイシサンゴの壊滅状況

ミドリイシサンゴの壊滅状況

 5月29日、石垣島米原海岸のリーフ外縁でサンゴを見る機会を記者が持った。なんと、より分けたように、ミドリイシ類のサンゴだけがきれいに死んでいた。すでに藻がついた状態か、テーブル上に見えても、表面は「ごつごつ」状態あるいは「つるつる」な状態。あれだけあったミドリイシがこうもあっさりときれいに掃除でもしたかに、生息しなくなった状態には、驚くと同時にあきれた。そこは、丁度、西表・石垣国立公園として保護域として指定された場所なのだから、まさに環境省の無力さが露呈。自然にはかなわないといってしまえばそれまでだが、あまりに情けない。ただ、リーフ内に多数の新たなテーブルサンゴが見られたことがうれしい。多分、彼らの産卵がやがてリーフ外縁のミドリイシを復活させるはず。オニヒトデがいかに激しく増加し、きれいに好きなものだけを選択しているか。実に悲しい光景が広がっているといえる。もはや食い尽くして消え去った大量のオニヒトデであれば、リーフ内の復活するミドリイシ達の産卵が待たれる。夏場の高温による白化現象が大いに心配だが。こんな海を見ていれば、今期のサンゴの産卵が、明らかに一斉産卵とならないのは自明。もしも、海の惨状を隠すような姿勢があるとすれば、小さな産卵を撮影してサンゴの産卵したと伝えるのは大問題。業者に教わった場所で、撮影した水中写真が、美しく撮影できたとしても、あるいはダイバーの撮影した写真を掲載したとしても何の意味があるかだ。 とある漁業者に聴いた。「一昨年から石垣島のサンゴはズタズタ」。新空港開港から、観光に期待が走り、このことが伏せる傾向になっているとすれば、許せない話。もはや、八重山観光ブームはおさまる傾向だ。安値競争に走るホテルは増える兆候にある。大事なのはリピータのはず。しかし、中には自然観察ガイドと称して、金銭稼ぎに奔走する人や、安いチケットで島の生物を採集にくる転売目的のアマチュア学者、および八重山の観光に安値戦争を仕掛ける業者らと、おいしいところをよりわけて食い尽くしたオニヒトデが重なって見えるのは、私だけか。

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