4月下旬からはじまるアサヒナキマダラセセリの繁殖期に合わせて、毎年石垣市教育委員会では於茂登岳の登山道入り口でアサヒナキマダラセセリの監視を実施している。5月2日、ゴールデンウイーク後半突入のこの日、監視が行われていた。長年、この時期於茂登登山に現れる観光客に紛れて、密猟に入る業者につながるマニアが後を絶たず、2010年段階で於茂登岳のアサヒナキマダラゼセリはかなりの減少が見られていた。一部の昆虫に詳しい人にしか知られていなかった氷河期から生き残ってきたとされるこの蝶は、ヒマラヤに生息する蝶と同種とされる。ただ、見た目にそれほど美しいわけでない注目度アップに疑問のあるアサヒナキマダラセセリ。八重山博物館に展示されていたぐらいで、特段の関心はいままでなかった。しかし高額取引が発生して、乱獲者が増えたとみていい。となれば、怪しいのが昆虫専門家。
県外から移住して八重山に詳しくなった一部の人が、生活の一助として盗掘・密猟の手助けをして、島を丸裸にする傾向が生まれているとすれば、こんな悲しいことはない。癒しの島と評価し、移住して暮らし向きをよくするために、生物の盗掘・密猟に、「これぐらいなら」と手伝って、それがもとで本土の業者は、盗掘役を加速的投入。珍しいものが多いと、そこたら中を引っ掻き回すことに。侵入者を登録して、何をしているか記録する必要がある。自然ガイドや案内人、レンタカー会社、宅配会社は、このような人士で儲けることは、避けてほしい。「昆虫がいなくなっても、誰に迷惑をかけたわけでもない。」と厚かましく生きる、一部の消費偏重的都市生活者の感覚は、きっぱり拒絶する必要がある。