中山氏が当選 石垣市長選挙

中山氏が当選 石垣市長選挙

 3月2日、任期満了に伴う石垣市長選挙の投票がこの日行われ、現職の中山義隆が前職の大浜長照を大差で破り、2期目の当選を決めた。獲得票数は1万5903票。破れた大浜長照氏は1万1881票。4000票の大差は、前回の市長選同様で、5000票差だったものが4000に減っているが、革新派が誰も名乗りをあげない状況で前市長にリベンジのチャンスを回したものの、前回選挙の二の舞となった格好。選挙の告示の日に、陸上自衛隊の駐屯計画があるとする憶測報道が出るなどして、混迷を投げかけた選挙だったが、前職16年の実績が逆に高齢さや、「いつまでやりたいのか」という疑問や、中国の尖閣への魔の手に、平和路線を説く説得力のなさ。何をやろうと立ったのか不明部分など、浮動層には理解しがたい部分も多く、前回落選後、島外での僻地医療に携わって、石垣島を離れていたことも影響。インターネットで展開した事件もウヤムヤ感が免れず、落選となった。一方、中山氏は教育長に端を発する問題で、沖縄県からも疑問府を投げられる教科書選定のばたばたを静観。水族館建設や石垣島北部の一周の舗装道路整備など、降って湧いた事業が多く、サッカーパークを音楽イベント会場に使おうとするなど、利活用主義が度を過ぎて、どこか軽さが目立ち、熟年市民への人気のなさが目立つ。ただ、対抗馬が前回と同じでは、インターネット事件が思い出されて、浮動票は消去法で中山氏へ逃げる構図が利いた。人権事件が革新系側に起こるのは絶望的と言わざるを得ず、繰り返したことは、浮動票から見放されて当然。
 市長の保守が2期続くのは久々で、若手が実現したことは、世代交代を象徴する首長選ともいえる。なお、市議会議員補欠選挙の当選は、東内原氏に決まった。革新派の停滞は、今回の市長選で新たな候補者を若手で立てられなかったところに大きく現れており、今年8月の市議会選挙への影響が大きくできる可能性がうかがえる。昔の保守は、どこか利権に走りがちで不健康な薄暗いイメージだったが、今や逆転。インターネット上の嫌疑を曖昧なまま突破を試みる1万1000票の得票マシンは、内向きすぎで不気味すぎ。ただ、2度も試みた事実は簡単にはぬぐえず、なお尾を引いて、先は暗くなる。浮動票への無神経ぶりが出た結果と気づくべきかも。

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