10月31日、雲が厚く大空に張りついて、あらゆるものが暗い日となった亜熱帯の八重山諸島。本土の日本海側を思わせる陰鬱な日にはカラスも鳴かない。ツバメも飛ばない。昨日とは打って変わった天候は、フィリピンの台風29号の影響だ。そのまま西へ去るとなると、詳しく報道されない現実を、観光客には知ってほしいところ。八重山には心配きわまりない存在なのだ。この日シジュウカラが現れてしきりに仲間を呼んでいた。八重山諸島で見られる亜種イシガキシジュウカラは、一般的なシジュウカラと違い、頬の白い部分が小さく背の黄色がない。曇天でセミもカラスも鳴かない日だけに、目立っていた。