12月4日、石垣島新川川河口にクロツラヘラサギ1羽が飛来しているのが見られた。アオサギのそばで、ゆっくり旅の疲れを癒すように、じっとしていた。時折、周囲を見回したり、アオサギが移動すると、それを追うかにそばに立ち寄り、黒い大きなヘラ型のくちばしを背に乗せて、じっとしていた。クロツラヘラサギは稀少種で、朝鮮半島の西岸と中国の一部で繁殖。一時は800羽しかいないとされたが、台湾に大越冬地があることが知られ、今は2000羽がいるとされている。毎年のように八重山で越冬する個体がある。沖縄本島で、生態調査のために足に標識をつけて放鳥された個体もあり、八重山にそんな個体が見られたこともあった。渡ってきた直後は、白さが目立ち、黒いツヤのある、独特の形のくちばしとのコントラストが美しい。名前はサギだが、トキの一種。