昭和47年、沖縄復帰の年に竣工し、次の年に石垣海上保安部に配属された灯台見回り船初代「あやばね」は、2010年1月、韓国で解体されたことが、3月22日、インターネットのホームページ、「内航.COM」にある写真発見をきっかけに、10年前に初代あやばねを買い取った企業へ連絡して、分かった。かつて初代「あやばね」は144トンと、灯台見回り船としては大きなサイズで、しかも13名の乗員という大所帯で航行。最高速力10ノットと鈍行の船ながら、ある時は火災船からの人命救助で、海上保安庁長官賞を受賞したことがある異色の灯台見回り船だ。この初代「あやばね」は、2000年に退役して民間に払い下げられ、名を「若三代十一号」と改め、中部国際空港の工事現場の監視船として稼働。三重県の浜島で投錨されていたが、老朽化にともない解体。写真は、1月に韓国へ向け曳かれていく初代「あやばね」最後の姿。小豆島近海で撮られたもの。八重山の座開きに舞われる「鷲の鳥」の冒頭「あやぱにはまらしょうり」の「あやぱに」から命名された綾羽(あやばね=カンムリワシの幼鳥とされる)。(上の写真は、「内航.COM」より)なお、下の写真は、現役時代の初代あやばね。