今期、新川川河口でクロツラヘラサギの幼鳥の集団が多数見られてから、度々宮良川などで餌を食べているところを目撃されていた。ただ現れたり見えなくなったりと、固定したねぐらが不明で行動パターンもわから今回のクロツラヘラサギ群れ。3月1日は、磯辺川の河口で休んでいるのが見られた。周囲にはシギ・チドリ類が多数いて、彼らは騒がしく鳴き、しきりに餌をついばんでいた。今期は冷え込みが早い時期からあって、アオサなどの藻類の成育もよく、野鳥が餌にする生物も多数見られたのではないか。藻類のみどりが目立ち、シギ・チドリのにぎやかな海浜で、クロツラヘラサギ14羽は、ヘラを体に乗せて、じっとしていた。今期は夏羽傾向を帯びるまで八重山にいるのか、注目したい。夏羽は後頭の冠羽が淡黄色になり、胸の羽もその色になる。朝鮮半島西海岸と中国の一部で繁殖するクロツラヘラサギは、台湾・ベトナム・中国・香港・韓国で越冬。日本では九州中心に少ない数だが越冬する個体はあるとされる。八重山では1999年に新川川河口に2羽見られてから、年々冬期に目撃頻度が増え、越冬個体も確認されて、今年はなんと14羽の群れの越冬と、八重山飛来は定番傾向にある。今期14羽は、まとまった群れの数としては、もっとも多いかも。