八重山では、1月から2月にかけて薄紫色のハマダイコンが開花している。浜で見られる天然のダイコンだが、根が野菜のダイコンのように大きくするには、適地で肥料が必要。島では、根に関心なく、このダイコンの葉や茎を軽くゆがいて食べる。味噌であえるとおいしいという。このダイコン自身は、大根特有の味が強くなく、あっさりしており食べやすい。みそ汁に入っても、違和感がない。天然の植物で、しかも雑草のように普通に生えてくるものが、軽くゆがいただけで、あっさり食べられるのは、不思議だ。そばに天然のニガナも生えていて、自然豊かな石垣島らしい。どこにあったか書くとなれば、やはり乱獲が気になる。そばにはヤエヤマアオキが、無造作に実を抱いて立っている。開発及ばぬ場所には、見事な自然がしっかり残っているが、気をゆるませれば、人の手が入り、すぐに消え去る。
