26年目に竹富方言辞典完成

26年目に竹富方言辞典完成
26年目に竹富方言辞典完成

26年の歳月をかけて取り組まれた竹富方言辞典がこのほど完成。出版を引き受けた南山舎が2月2日午後3時から大浜信泉記念館で完成記者会見を実施した。教育界で活躍した竹富島出身の著者前新透氏は、失われゆく竹富方言をなんとか残したい一心で、方言の採録に努め、今回念願の竹富方言辞典完成を実現した。2005年に著者前新氏の教え子で教育界に携わった二人、高嶺方祐氏と入里照男氏が同辞典の編集に携わり、石垣出身の沖縄県立芸術大学附属研究所教授の波照間永吉氏も2007年から編集に参加。かく編集の取り組みをはじめて6年目に成就したもの。著者前新透氏は、大正13年竹富生まれ。昭和19年に沖縄師範学校を卒業して小浜国民学校から教鞭をとり、大浜小学校校長を最後に退職。この年から、方言を大学ノートに記録しはじめて26年を経て、前記3人の加勢で竹富方言辞典が完成した。収録語数は1万7710語。その本文編が1323ページ。竹富島の海辺の方言の地名など、付録も充実しており全ページ1560ページ。定価は26250円。沖縄の失われゆく古きよき時代の原風景のひとつに数えられる「方言」。方言を残す取り組みは、沖縄本島でも盛んで、今帰仁辞典、あるいは沖縄方言辞典などが有名。最近では宮城信勇氏による沖縄タイムス発行の「石垣辞典」が存在する。与那国島でも語彙集が本になっており、八重山では方言を遺す取り組みは盛んといえる。波照間氏は、この辞典発行がきっかけとなって、各離島各地区の方言辞典編纂の動きが生まれることを望むと述べていた。なお著者前新氏は今年4月で87才を迎える。持病の糖尿の体質を、細心の健康管理で積極的に克服して、病と闘いながらの夢の実現といえる。この竹富方言辞典の発行数は500部。2月28日までに予約すると19800円の特別価格で購入できる。予約先は南山舎0980―82―4401。大浜信泉記念館0980-84-1551。タウンパルやまだ098082-2511。

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