傷ついたソリハシセイタカシギが、セイタカシギの群れの中で、いっしょに行動しているのが12月14日に見られた。平田原の一期米の植え付け準備にかかる水田にたたずむセイタカシギの50羽に近い数の群れに、羽根の柄が違うソリハシセイタカシギが混じっている。片足は相変わらず不自由で、15日には餌を探して水の中をあさる際、クチバシのバランスを誤り、転んで水に浸かることも何度か起こしている。これまでには見なかった光景だ。この仲間の中で、八重山で冬を越すつもりと見える。一時、アスファルトに座り込んでしまう姿を見たときは、弱っているかに見えたものだが・・・。今は、餌をとるソリハシセイタカシギのそばに近づくセイタカシギもあり、周囲を警戒することに加勢するように、仲間がそばに付き添っているかに見える。野鳥が傷ついた異種の仲間へ気遣いを見せるというのは、理解しがたい現象で、本当にかくあるかは、野鳥が言葉を発しない限りわからないが、安全な旅をするには群れでいた方が楽と考える採集形の野鳥では、互いに安全を意識する中で、自然に成立しえることかも。弱い仲間がいれば群れは襲われやすくなる。しかし、不自由な仲間がそばにいれば、不自由な方が餌食になる。そういう観点から見れば、助けるために群れにいっしょになったと考えにくいが、群れの真ん中に彼がいることを考えれば、簡単に結論は出せない。ただ、いつも単独でいて、セイタカシギといっしょにいなかった彼が、いっしょにいるように変化したことは、間違いない事実だ。