10月7日午前9時半、世持御嶽に約500人近い来場者が詰めかけた。これは国の重要無形民俗文化財「竹富島の種子取祭」の奉納芸能がはじまるため。この竹富島最大の行事は、昔、6人の島の実力者が、種子を植える時期を戊子(つちのえね)の日に決めたことから発するものとされる。約600年の歴史があるとされ、毎年、10月の戊子の日を5日目とする9日間に行われており、竹富島はこの期間はほぼ祭り一色となる。なかでも7日目と8日目に行われる盛大な奉納芸能を目当てに、島外の郷友や多くの観光客が島に集まる。そこで多彩な奉納芸能と、徹夜で行われるユークイ行事で、島は大いに賑わう。すでに狭い島には農業はなくなったが、島民の団結を図るとともに、家内安全、商売繁盛を祈願してこの祭りは島人や郷友に受け継がれている。