石垣島の八重山署に拘置され、今回、処分保留で釈放された中国人船長は、大使館員の手厚い保護対応の下、チャーターされた最新鋭ジェット機で石垣島を離れた。普通の感覚ならぶつけたならゴメンと謝る日本人だが、彼らはあらゆる状況を利用して、回避の行動に出る。時にはでき得る法からのくぐり抜けに、全力で挑戦する。いうなれば、国家を上げて、それの推奨を図ったような事件である。世界は、日本の哀れな、愚直な対応を笑いもするが、日本人らしいと評価するかもしれない。戦争放棄と平和外交を旨とする以上、有る程度の波風は、やり過ごす度量を出さねばいけない。一方で、中国は爽快感にあるかもしれないが、世界中に警戒される存在として、なお名を響かせた事実。一介の漁船の船長が、中国近海の漁場を荒らして魚が減り、乗り出す先をこうしてつくろうと、工作まがいの行動に出るような国である。ウィグルからもチベットからも恨まれる理由がよく分かる。彼らは仲間にしか向き返らない、理性なき民であることを、世界に示している。