この時期、八重山の山岳部ではオキナワウラジロガシの実がなっている。地元では、オキナワウラジロガシの実は若い娘には見せるなと言われている。実を見れば、なるほどと思わない男はいない。確かに似ていると誰もが感心させられる。(写真にすると大して似て見えないかも)ただのドングリだが、このドングリは、日本一大きいことで有名だ。サイズが大きくなると、似て見えてくるものがコレだとは、誰が想像できるか。ドングリは昔、食糧にした地方もある。タンニンが効いて渋いためにそのままでは食べられないが、いまほど食べられるものが多くはなかった時代なれば、大事な冬の食糧だった。昔から秋の風物詩として、巨大ドングリを見てきた人々は、男が山の幸で女が海の幸という、うまくできすぎた神の造形を、どうとらえていたものか。