7月のこの時期、リュウキュウアカショウビンのヒナが木々の幹に掘られた巣穴で、甲斐甲斐しい親の給餌により、すくすくと成長しているのが見られる。リュウキュウクマゼミが鳴き出す6月上旬から給餌ができるタイミングで、営巣は営まれる。潤沢なエサが必要だからだ。一方、小鳥の巣がつくられやすい場所に通うのは、リュウキュウツミ。最小の猛禽類で小鳥のヒナを襲うタカだ。エサとなる小鳥の巣へ通える場所に、リュウキュウツミなどは営巣を行う。小鳥が営巣をするエリアが、より広範囲ににらめる拠点に巣を構え、通う。いわば、営巣する次元から、食うもの食われるものの、生存競争がはじまっていることになる。