4月14日午後1時半から沖縄県埋蔵文化財センターおよび人類学会が新石垣空港建設現場内にある竿根田原遺跡で、2万年前の人骨が発見された洞穴を関係者とともに視察した。今年2月9日に2万年前の人骨を発見したと日本鍾乳洞学会が発表した同遺跡内の採掘場所は、現在、縦穴の下の部分を掘り、地下水脈を確認して岩の塊数個で蓋をした状態で、洪積世の黒い土が残る洞穴の壁をテントなどで維持している。この日、同センターおよび人類学会の面々は、遺跡の前に立ち、人骨が出た箇所を確認。その後記者会見を開いた人類学会の金沢英作会長は、これは3万年前の人骨が出る可能性があると述べ、高い関心をよんでいた。この日、関係者のひとりは遺跡の状態の説明で、長い年月、雨で洞窟へ流れ込んだことにより、発見場所に骨が貯まった可能性があることから、もっか周辺には生活の痕跡が見あたらないことを説明。まだ未調査の土から生活の痕跡となるものが発見されれば、現状維持のための取り組みがはじまるとのべ、現状では生活痕跡はないとの見解を述べ、生活痕の有無が、今後の遺跡の扱いに違いが出てくることを示唆していた。一方、発見者である山内平三郎氏(琉球新報連載)によると、最初に遺跡を調査の委託を受けたのは2004年で、最初に人骨が発見されたのは2007年12月。日本最古の人骨発見は2008年5月。随分前に発見されており、これの放射性炭素による年代測定および論文報告が2年かかって、今年2月9日に発表されている。発表前に、遺跡の現状保全と再調査を願っていたが、加味されず、遺跡の上半分が消滅。遺跡の住居部分が洞穴の底へ流れて、堆積した地層が相当量残っており、人骨獣骨石器土器などが含まれていると述べている。県もそこは大変期待をしている模様。県は遺跡の調査を8月に開始を発表。ただ梅雨には大雨、7月からは台風シーズン。昨年は台風が不発だったことを考えれば、今年は大きなものが来るような・・・。突如襲う八重山特有の豪雨や雨台風を警戒していないかに、あまりに簡単なブルーシート保護は、貴重な洪積世の土だけ頂ければよいというような・・・、どこか地元無視の雰囲気がある。石垣島の遺跡ではないのか。日本の貴重な財産ではないのか。県がいったい何に期待しているかが知りたい。