4月8日は釈迦が生まれた日。国内でインドにもっとも近い島嶼域八重山諸島。その中心拠点となる石垣島には、創建して396年が経つ南海山桃林寺(臨済宗妙心寺派)がある。そこで花祭りがおこなわれ、寺を支える大勢の檀家衆が集まり、舞踊を見るなどして釈迦の誕生を祝っていた。釈迦は誕生する前、懐妊した母親が体に白い象が体に入ってくる夢を見たことで、預言者が偉大な人が生まれると告げていたという。かくして母親は実家で出産をと移動中に、ルンビニ園という花園で産気づいてそのまま出産。生まれた釈迦はすぐに立ち上がり天と地を指さして「天上天下唯我独尊」と唱えたとされている。このとき天から甘露の雨が滝のように降ったとされ、花祭りの日にそれが再現されるのが、甘茶を濯ぐ儀式。濯がれる釈迦像は子どもの姿で天と地をしっかり指さしている。花と甘茶と子どもの釈迦像と白い象がセットになっているのだった。カピラ国の王子だったにもかかわらず29歳で出家し、6年で悟り、80歳で没するまで諸国を行脚して布教した釈迦。苦労したはずだが、彼が長寿だったことはあまり知られていない。