3月21日午前10時頃、2羽のカラスに襲われているアカショウビンを保護したのは、登野城の比屋根重雄さん。その日の午前8時頃に自宅でアカショウビンの鳴き声を聞いていた比屋根さんは、10時頃になってカラスが騒がしくしているので、外に出てみると2羽のカラスがアカショウビンを襲っている。アカショウビンの長いクチバシをくわえて振り回しているカラスを追い払って、近くの平田動物病院に預けた。同病院の栗原新獣医師の診察では、左上腕部分の打撲で内出血をしているとのこと。骨には別状がなく一週間で直る見込み。ただ問題は野生であることから、警戒心が強く人が与える餌を食べないこと。一日でヤモリを7匹ほど食べる野生のアカショウビンだが、栗原氏がヤモリを与えても食べず、ワカサギには少し興味を持ったようで、つついた後があるだけ。このまま衰弱する可能性もあり、生存可能かどうかは、人がやる餌を食べるか否かにかかっている。ヤモリのような自然の餌からワカサギのような人工の餌に変えることに成功しなければ、一週間はもたせられない。もっか同動物病院で消炎剤を注射されつつ、治療中だ。比屋根さんは、保護した次の日も早朝アカショウビンの鳴き声を聞いており、2羽で飛んできたことも考えられる。「元気になってほしいですね」と比屋根さんは傷ついた野鳥を気遣っていた。一般にはアカショウビンの初鳴きは3月下旬から4月上旬で、今の時期に町中でアカショウビンが見られるのは珍しい。3月中旬にはアカショウビンは飛来しているという話もある一方で、山岳部で人知れず越冬するアカショウビンもあるという話もあり、栗原獣医師も西表島で越冬するアカショウビンがいることを聞いたことがあると述べていた。いずれにしろ、確証はない模様。なお3月30日時点で、給餌は維持できたものの、その後の詳細な検査で骨折が判明。このアカショウビンの鳥口骨(人でいうと鎖骨に当たる)が折れており、肘の動きもおかしい。放鳥が微妙になってきた。完治危うし、アカショウビン頑張れ。