11月28日、予定より15分早い午前9時45分に石垣空港に降り立った米軍ヘリ2機は、急遽集まった労組などで組織する平和を愛する市民の抗議の声の中、轟音を響かせて着陸しました。
「米軍は帰れ」「防衛協会は乗るな」とシュプレヒコールがなるなか、八重山防衛協会のメンバーは、最初のヘリに12名が乗り、あとの機には6名が乗り込んで、強襲揚陸艦エセックスに向かってフライト。
民間機の着陸1機と海保の1機の着陸を待ってからの離陸で、このあとどこに停泊しているか不明なエセックスで、昼食会を軍関係者と持った模様。
現場に駆けつけた大浜市長は、「交流とは文化を通して、スポーツを通してやるもので、こんな恐ろしい船の上で、食事をして交流とはいわない」と、きっぱり述べていました。
地位協定がある限り、この民間空港利用は、防ぎようがありません。ところが、民間人との交流のためと称しての利用は、さも好意を持っているかに見えるだけでなく、うかつな民間人を思わぬ方向に巻き込む、微妙な行為の何ものでもありません。
シュプレヒコールには「八重山防衛協会は乗るな」という声もありましたが、どこか力がなく、残念な思いが先行しての声になって見えました。
意識が分かれていく寂しさは、やはりどこかにあります。「彼らは市民ではない」という声も出て、憤りの高さを示していました。
14時40分にはヘリは戻り、予定より早めの帰還で、八重山防衛協会の一行は、空港のエプロンで植物防疫などの手続きを終え、空港内でバスに乗り込んで、そのまま一般道に出て、抗議の声が高鳴る中を、バスに乗ったまま通り過ぎて、市内に消えました。集まった人の中には、「戦争を起こさないことを誓い、平和の活動を積み上げてきたのに、この一部民間人が米軍に加担するかに、強襲艦での交流会に参加し、そのために軍のヘリを飛ばし石垣空港を使わせる行為に加わったことは、これまでの平和活動のすべてが崩れてしまったような気さえする」と、深い落胆を示す人もいました。一部には、軽い気持ちで米軍の申し出を好意に受けとったようだという声も、いろいろ聞こえてきますが、大きな戦艦を動かす費用は簡単なものではなく、見方を変えれば、恐ろしくなる行動の中に、期せず組み込まれたことになります。市議も加わったとの声もあり、乗り込んだ人々の会見が待たれます。
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